■太陽光発電より圧倒的に効率の高い地熱発電

 再生可能エネルギーである太陽光、風力、地熱などを利用した発電システムは化石燃料を燃やさないのでCO2排出が極めて少ないのが特徴です。
 中でも地熱発電は天候に左右される太陽光や風力と違って、一旦井戸さえ掘れば24時間安定な発電ができるため、極めて高い効率(設備利用率)を誇っています。

 ここでは、これらの発電システムの効率について、最近の朝日新聞記事や太陽光発電実績値をもとに簡単に比較してみましょう。
  効率(設備利用率)= 年間発電量 /(発電装置出力×年間時間)

太陽光発電: 12%程度
  昼間、太陽が出ている時のみ発電(曇天、雨天時は発電量がわずか)。
  (例)3kW システムでの年間発電量実績(広島市内I邸): 3000kWh程度
     発電能力 3 x 24 x 365 = 26,280 kWh
     効率   3000 / 26,280 x 100 = 11.4%

風力発電: 20〜30%
  昼夜無関係、但し無風時はNG。

地熱発電: 80〜90%
  昼夜無関係に安定して発電、ほぼ休みなく発電。
  (参考)国内最大の地熱発電所は九州電力・八丁原(はっちょうばる)発電所(大分県九重町、11万kW)。

 なお、日本地熱学会の資料「2007年度における各種再生可能エネルギーの設備容量と発電電力量」をもとに、効率を算出すると次のようになります。 太陽光、風力については一般的に言われている上記数値に近く、地熱は若干低めになっています。
種 別 設備容量
(万kW)
 年間発電電力量
(百万kWh)
 効 率
(%)
太陽光発電125.2146313.3
風力発電149.4316224.2
地熱発電53.5309666.1

 地熱発電は大きな潜在力を秘めた国産の自然エネルギー資源であるにもかかわらず、しばしば「忘れられたエネルギー」とも呼ばれていましたが、石油などの枯渇性エネルギーの価格高騰や地球温暖化防止策としても利用拡大が図られつつあります。

 一方、太陽光発電は風力、地熱に比べて効率は高くはありませんが、個人レベルで設置が可能であり、これら各種方式をうまく利用して地球温暖化対策に取り組むことが重要です。
[参考文献] Wikipedia: 再生可能エネルギー、 地熱発電

(財) 新エネルギー財団

太陽光発電: 実際の年間発電量の変化の例
太陽光発電: 実際の発電効率の例
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