■太陽光発電：　電池モジュールの出力低下の例

　太陽電池モジュール（太陽光パネル）は各社各型式毎に公称最大出力が定められていますが、個々のモジュールの出力値は製造上多少のばらつきが生じます。

　また、モジュールは年月と共にゆっくりと性能が低下し、その量は結晶シリコン等の場合、多くの製品は20年間で1割未満と報告されています（Wikipedia）。
　SHARP製のものは10年で4%程度の出力低下との情報もあります。

　我が家では2001年に設置したM社製の旧システムの性能が一昨年あたりから急激に低下したため、昨年（2011年）SHARP製に切り替えました。

　旧システムのパネル（公称最大出力：83.5W）36枚をM社に送付し、最大出力を測定した結果は次の表のとおりです。

（１）最大出力の保証値（公称最大出力の81%）以下のものが4枚あり、断線、セル割れが発生している（No.4, 5, 22, 29）。
（２）その他のパネルも 82〜83％程度で、一般的に言われている低下率を大きく越えている。
（３）旧システムの発電実績を見ると、設置当初からかなり出力不足であった可能性が大である。
　　　当方からのこの疑問点について、メーカM社及び施工会社S社（大手住宅メーカ）から未だ回答なし。

電池モジュールの出力低下の例　（設置後10年経過時）

パネル No.	最大出力測定値（W）	公称最大出力に対する割合（%）
1	68.32	81.8
2	69.54	83.3
3	69.63	83.4
4	55.83	66.9
5	51.36	61.5
6	69.72	83.5
7	68.77	82.4
8	68.67	82.2
9	68.61	82.2
10	68.35	81.9
11	69.36	83.1
12	68.39	81.9
13	69.64	83.4
14	68.95	82.6
15	68.94	82.6
16	68.67	82.2
17	69.91	83.7
18	68.32	81.8
19	68.74	82.3
20	68.64	82.2
21	69.12	82.8
22	61.65	73.8
23	69.54	83.3
24	69.62	83.4
25	70.42	84.3
26	69.89	83.7
27	71.04	85.1
28	70.01	83.8
29	67.54	80.9
30	69.20	82.9
31	69.75	83.5
32	68.73	82.3
33	69.27	83.0
34	68.05	81.5
35	70.40	84.3
平　均	68.07	81.5
最大値	71.04	85.1
最小値	51.36	61.5
範　囲	19.68	23.6
標準偏差	3.88	4.7
保証値以下のﾊﾟﾈﾙを除く 平　均	69.23	82.9

　（注）実際は36枚であったが、1枚行方不明で35枚分のデータしかない。 メーカの管理体制に大いに疑問あり。