誕生日

赤くなっている文字をあなたにあてはめてお読みください

ここで紹介している絵本は、次のように設定しています
　主人公の名前：　しみず　ゆか
　主人公の呼び名：　ゆかちゃん
　性別：　女の子
　誕生日：　6月1日
　年令：　7才
　住んでいるところ：　みなみく
　登場人物：　はづきちゃん、ちえちゃん、ともひろくん
　贈り主の名前：　パパとママ
　プレゼントする日：　2004年6月1日
　メッセージ（上段）：　いちねんせいになって、ますますげんきな
　メッセージ（下段）：　ゆかちゃんでいてね！

ゆかちゃんの

カレン・Ｍ・ヘフティ作
あき　よしこ訳
ヴァレリー・ウェブﾞ画

しみずゆかさま

これはあなたのために
とくべつにつくられたおはなしのほんです。

いちねんせいになって、ますますげんきな
ゆかちゃんでいてね！

２００４年６月１日

パパとママより

ゆかちゃんはうれしくて
なにをしてもおちつきませんでした。
まちにまったひが、ついにやってくるのです！
みなみくのみんなに　６月１日というひを
おぼえてほしいとおもっていました。
このひゆかちゃんは
７さいになるのです！

ゆかちゃんはずっとまえから
おたんじょうかいのことをかんがえていました。
「わたしのおたんじょうびは
ほんとうにくるのかな？」
おたんじょうかいにはたくさんのおともだちに
きてもらいたいとおもっていました。
「はづきちゃん、ちえちゃん、ともひろくんには
ぜったいにきてもらいたいな。
そうしたらこんどのおたんじょうかいは
さいこうだ！」

たんじょうびのまえのよる、
ゆかちゃんは
すてきなゆめをみました。
おたんじょうかいのためにおしゃれをして
おおきなへやのまんなかにひとりで
たっているゆめです。
そのへやにはいろのちがうドアがありました。
ゆかちゃんは１０このまほうのかぎがついたかぎのわを
もっていました。
かぎのいろはドアのいろと
おなじくみあわせでした。

でもひとつのドアだけ
おなじいろのかぎがありません。
そのドアはとてもきれいなにじいろです。
「どうやってこのへやにはいるのかな？
にじいろのかぎもないし、
どうしたらいいのかな･････　そうだ！
はづきちゃん、ちえちゃん、ともひろくんに
きいてみよう！」

ゆかちゃんはあおのドアを
あけようとおもいました。
あおいかぎをかぎあなにさしこんで
ゆっくりとドアをおしあけると･･････
そこにはかぞえきれないくらいたくさんの
ふうせんがゆらりゆらりとゆれていました。
おおきのちいさいのまるいのながいの
くねくねしたのやおかしなかたちのふうせんも
あります。
ゆかちゃんはうかれて
ふうせんをつつきながら
あるきまわりました。
なかにはいままでみたこともないほどおおきい
まっさおなふうせんもありました。

あおのへやをみおわって、ゆかちゃんは
しろいかぎでドアをあけて、
そっとしろいへやにはいってみました。
そこには、バースディ・ケーキが
いくつもいくつもならんでいました。
ちいさいのやフルーツのケーキもあって、
ゆかちゃんひとりでは
とてもたべれそうにありません。
いちばんおいしそうなのは６だんがさねの
しろいケーキでした。
「はづきちゃんや、ちえちゃんや、ともひろくんも
きっと
いっしょにこのケーキをたべたがるだろうな」と
ゆかちゃんはおもいました。

さくらんぼのようなあかいかぎで
つぎのドアをあけると、
ゆかちゃんはびっくりして
ひっくりかえりそうになりました。
めのまえにとけかかったちょうとくだいの
アイスクリームがそびえたっていたのです！
さくらんぼとナッツがはいっていて
ホイップクリームもたっぷり、
シロップもかかっています。
「アイスクリームのやまをすべりおりたら、
たのしいだろうな。
ほんとうにおいしそう･･････　はやくたべたいな！」
ゆかちゃんはいいました。

つぎはオレンジいろのへやにいってみました。
ドアをあけると　ゆかちゃんは
おもわずくすくすわらってしまいました。
だって、おもしろいかっこうをしたピエロが
４０にんもいたんです。
どのピエロもかみのけのいろはオレンジいろ！
ふとっちょのピエロ、やせたピエロ、
たのしそうなピエロ、なきがおのピエロもいます。
てじなをしたり、とんだりはねたりしている
ピエロもいました。
ゆかちゃんはわらいすぎて、
なみだがでてきました。

ゆめのなかのみどりのへやは、
プレゼントがつまりすぎていて
ゆかちゃんがドアを
あけようとしてもなかなかあきませんでした。
はづきちゃんや、ちえちゃんや、ともひろくんからの
プレゼントはどれかなぁ。
「このなかにたんじょうびにほしいと
おもっていたものがあるといいけど･･････
あのみどりのはこがそうかな！？
あけてみようかな？」
ゆかちゃんは
まよいましたが、おたんじょうかいまで
まつことにして、つぎのへやを
のぞいてみることにしました。

ピカピカにかがやいているきんいろのドアを
あけたゆかちゃんは
とびあがりました！
へやじゅうのりものだらけ。
まんなかにはきれいなきんいろの
メリーゴーランド！
きんいろのくらをつけたポニーやかんらんしゃ、
でんしゃやじどうしゃのおもちゃもありました。

ピンクのかぎであけたへやは、
ピンクいろのあめがいっぱいでした。
「わぁ、すごい！」
ゆかちゃんはさけびました。
「こんないいゆめはじめて！」
ぼうつきのペロペロキャンディ、
ほそながいペパーミントキャンディ、かたいの、
やわらかいの、チョコレートがついたのも･･････
あめ、あめ、あめ、あめだらけです。
ゆかちゃんはおもいました。
「このあめは
はづきちゃんや、ちえちゃんや、ともひろくんと
わけることにしよーっと！」

ちゃいろのドアのへやは、いろいろな
ぬいぐるみでいっぱいでした。
ゆかちゃんは
かわいくてふかふかしたちゃいろのくまを
だっこしてみたいとおもいました。
ゆかちゃんより
せのたかい　ほんものそっくりのきりんや、
かたてにのるくらいちいさいぬいぐるみも
いました。
「このぬいぐるみたちをみんなじぶんのへやに
つれていきたいな。
でもベットがどこだか
わからなくなったらたいへんだ！」
ちょっとこまってしまった
ゆかちゃんです。

きいろのドアをゆかちゃんが
あけると、そこにはおもしろそうなゲームが
たくさんありました。
ロバのしっぽのふくわらい、おはじき、おてだま、
りんごのヨーヨーつり、わなげや
いすとりゲームのいす･･････
ゆかちゃんはどのあそびから
はじめればいいのか、なやんでしまいました。

さいごのかぎはぎんいろのかぎです。
ゆかちゃんは
ぎんいろのへやのドアをあけました。
へやがいろんないろのテープで
かざられています。
そこには、おたんじょうかいにつかうものが
ぜんぶそろっていました。
おさら、コップ、ナプキン、フォーク、
スプーン、ぎんのふえや、すず、ラッパ･･････
たんじょうかいにきてくれたみんなに
よろこんでもらえそうなものがなんでもありました。

ゆかちゃんはまだ
ゆめのなかです。
にじいろのドアのまえに　たっているのに、
やっぱりかぎがありません。
かがみこんでかぎあなからなかをのぞいた
ゆかちゃんはびっくりしました。
「ここならおたんじょうかいがすぐに
はじめられる！」
そこにはほかのへやでみたものが
ぜんぶありました。
でも、へやにはだれもいません。
ゆかちゃんはすごく
かなしくなって、つぶやきました。
「ひとりだけのおたんじょうかいなんて
たのしくないよ」

ちょうどそのときめがさめました。
ゆかちゃんがきがえて
いそいでだいどころにいくと、
ゆめでみたにじいろのへやと
おなじ　かざりつけがしてあります！
「おたんじょうびおめでとう！」
みんなのこえがしました。
ゆかちゃんがふりかえると
はづきちゃんも、ちえちゃんも、ともひろくんも　います。
「わー、びっくりした！
でもさいこうのたんじょうかいだ！
みんなほんとうにありがとう！」

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舛元　好則