黒曜石


(いにしえの島根/島根古代文化センターより)
山から採掘されたときは表面が風化して、
ざらざらした灰色や灰黒色をしているものが
多いが、割るとこのように黒く輝く表面が現れる。


今から1万年以上前の旧石器時代から2300年前の縄文時代まで、物を削ったりする道具のほとんどは石を使用していた。特に黒曜石は刃物、鏃等によく使われていた。しかし利用の割に原産地が限られるため貴重なものであった。

出雲では隠岐で採掘されたものを利用していた。現在の科学は黒曜石の原産地を解明するところまで進歩した。それによると隠岐原産の黒曜石は中国地方だけに止まらず朝鮮、さらにはウラジオストク、ナホトカ周辺まで運ばれて使用されていたことが判明している。隠岐の国土、人口を考えれば、かって朝鮮やロシアまで航海する国力を持っていたとは到底考えられない。とすれば隠岐に一番近い出雲がその任を負っていた可能性も考えられる。

この事は出雲王国の存在といわないまでも、出雲にこの黒曜石を移動させるほどの人口と技術が存在したということを微かに匂わせている。


(広範囲な黒曜石の分布状況:
いにしえの島根/島根古代文化センターより)

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