出雲文化について




出雲のイメージといったらどのようなものを想像するであろうか?
まず、出雲がどこにあるかを知らない人もいるかもしれない。それが島根県にある事を知っていても、島根県がどこにあるかを知らない人もいるであろう。
出雲は大阪、東京のような大都市と比べたら明らかに田舎である。中規模都市でさえない。ゆえにそのような観点から見ると多くの人が見過ごしてしまうような所である。

出雲の魅力とは何なのであろうか?
時代はさかのぼり弥生時代中期、まだ大和政権が日本統一を果たしていない頃のこと。今は裏日本などと呼ばれるこの日本海側も、当時は海外の新しい文化や文明を運ぶ重要な場所であった。その中でも出雲は別格の地であった。

神々の集う場所と呼ばれる出雲。八百万の神の国が形成されるにいたったその起源がひょっとして古代出雲にあるのでは?そのような漠然とした思いのままに古代の出雲文化を調べていくうちに興味深い「原則」を見つけることが出来た。それは最後の項に譲るとして、まず始めに出雲の古代文化を3点に絞り、いったいなぜそのような文化形成が行われたのかを追求していこう。


1.豊富な資源とその製錬技術
黒曜石
縄文時代から使用されていた黒曜石が隠岐に豊富に存在
青銅器
弥生時代に盛隆を極めた出雲の青銅器文化
たたら製鉄
日本でも有数の砂鉄場と製鉄技術集団

2.地理的な利点と航海技術
海に面した交流
日本海を股にかけた他地域との交流
古代朝鮮との関係
海の向こうの文化・文明に対するあこがれと玄関口
造船技術

航海に必要な堅牢な船
航海技術
出雲の文化を支え続けてきた航海技術

3.出雲信仰の源
風葬、水葬
出雲文化の根幹を成す葬儀方式
山岳信仰
神名火(樋)山信仰
青銅器文化
信仰対象としての祭器(銅剣、銅鐸、銅矛)
神在月信仰
出雲信仰の完成


次に神々の存在に迫るために2つの分野を採り上げよう。
まず、一つは民俗学の分野からである。これは「風葬儀式」というちょっと馴染みの薄い文化から古代出雲王国の証明を試みたものである。これまで大国主達の墓が無いことから神々は実在しないとされ、出雲は王国が存在しなかったとされてきた。しかし、実はこの「風葬儀式」が弥生時代をひも解くかなり重要なトピックであり、この葬儀方法こそが神々を創り出すギミックとなり、王国証明の手がかりとなるのではないか、という章である。出雲三部作第一章、御一読あれ。



もう一つが考古学の分野からである。これは青銅器を用いた古代出雲王国の証明方法である。ここでは青銅器がどのような使用目的のために用いられていたのかということを解明し、神々の形成が文明の温度差に関係しているのではということを考察している。現在の考古学の立場からすれば単なる数学の問題集のように見えるかもしれないが、かなりこれはこれで面白いのではないかと思うよ(笑)。出雲三部作第二章、御一読あれ。

古代出雲の本質とは何か。それについての考察。出雲三部作最終章ここに完結!!




古代出雲の本質を見つめながら、出雲史上最も有名な大神・大国主命の実像に迫り、古代出雲王国の存在を証明しようという試み。これで古代出雲の謎は解かれるのか!?


戻る