3.出雲信仰の源


(大国主命像)
これまで出雲王国の可能性を海から眺めてきた。そして出雲王国は「豊富な資源とその製錬技術」、「地理的な利点と航海技術」 に支えられていたということを上述した。

出雲は神々の国といわれる。
その理由は神話の世界で語られることが多いが、なぜそのような世界が語り継がれるようになったかは判然としない。ただその有力な手がかりは出雲信仰にある。わが国の庶民信仰の中には祖先から引き継いできた古い時代の宗教が根強く残り今日に至っているものが多い。したがって、今日まで伝えられてきた暮らしに結びついた庶民信仰を通して、古い時代の宗教や、当時の人々の精神文化を解明することができるのである。ここでは出雲王国が独自の文化をもつに至るまでの過程とその帰結を出雲信仰を基に解明しつつ、さらに出雲王国の存在について言及していく。

風葬、水葬 山岳信仰 青銅器文化 神在月信仰


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