■太陽光発電: 固定価格買取り制度(FIT)
          〜家庭からの購入価格が2倍に?〜

 経済産業省は、家庭で発電したのに使い切れなかった電気を現在の約2倍の単価(約50円/kWh)で、電力会社に買い取らせる制度を2010年度から導入すると発表しました(2009.2.24付 朝日新聞朝刊)。
 新たな制度は「固定価格買取り制度(FIT:Feed-in Tariff)」と呼ばれ、ドイツなどでは既に実施されて成果を上げているようです。

 制度の詳細はこれから関係業界などと調整・検討されるようですが、現時点で分かっている内容は次のとおりです。
(1)2010年度から実施する。
(2)買取り価格は従来の2倍程度の1キロワット時あたり50円程度。
   ただし、買取り価格は太陽光発電の普及に合わせて、年度ごとに下がる。
(3)買取り期間は約10年間とし、その後は現状の買取り価格に戻る。
(4)既に発電装置を設置している利用者と制度開始から3〜5年に設置する利用者が対象。
(5)電力会社の負担増分は電気料金に上乗せされる予定(標準的家庭で100円程度の値上げ)

 太陽光発電はCO2に代表される温室効果ガスを排出しないクリーンエネルギーとして注目されていますが、設置費用が高く、あまり普及しているとは言えません。 3kWの通常システムでの年間発電量は3,000kWh程度であり、このうち電力会社に買い取ってもらうのは約6割の1,800kWh程度です。 新たな制度が導入されると、設置者は年間約4万円程度の恩恵が受けられます。 新制度によって、太陽光発電の普及が促進されるか注目したいと思います。
[追記 (2009.7.2)]
 本制度に関する法律「エネルギー供給構造高度化法」が2009.7.1に国会で可決・成立しました。 当初予定を前倒しして、年内にも新制度が導入される見込みです。
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