■05. 2001/12/29(金)
藤忠ビルと戦争の跡
高嶋敏展
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手投げ弾の信管のケース
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陶器製の電灯の傘 |
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藤忠ビルには戦争の傷跡をとどめるエピソードや物がいくつか残されています。
倉庫の2階部分から手投げ弾の信管のケースが大量に出てきました。「手投火曳火榴弾九七式信管二百五十個」と箱書きがされています。60×30×15cmくらいの箱に麻縄の取っ手がついています。色は黒、不愛想な箱は気味悪く時代の空気を感じます。
また、金属を使えなかった戦争中のもので陶器で作った電灯の傘がを見つけました。現在市販されているものはホーローでできています。スタッフが誤って割ってしまったことから陶器でできていることがわかりました。
数年前には2階の奥から不発弾が見つかり自衛隊が回収に来たそうです。地下室が防空壕や軍事物資の倉庫に使われていただけに十分あり得るエピソードです。
また、天神町の他の建物が建物疎開(空襲の類焼を防ぐためあらかじめ建物を壊してしまうこと)のため取り壊された中で藤忠ビルだけは鉄筋コンクリートに防火壁を持っていたため取り壊しを免れています。
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