■06. 2001/12/29(金)
藤忠くんと角純二
高嶋敏展
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紙粘土人形「藤忠くん」 |
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藤忠ビルプロジェクトオリジナルグッズは公式にはステッカー、フォトモ(写真で作ったペーパークラフト組み立てると藤忠ビルができる)Tシャツ、トレーナーだけのはずなのだが、なぜか”藤忠くん”というオリジナルグッズが存在する。藤忠くんとは紙粘土に色をつけた3cmほどの人形で初回は10個ほどが店頭に並んでいた。
なぜ、非公式のオリジナルグッズが存在するのか? それにはまず、作者の角純二について語らねばならない。
角純二。昭和38(1963)年6月4日生まれ。山陰文芸協会会員。詩人。著作に「のぼる日」、「愛ゆえに田和山に舞う」、「トニーを上映した女」など多数。たまに仮面ライダーのコスプレで松江の町を歩く迷惑な人。
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仮面ライダーのコスプレで藤忠ビル前に現れた角純二さん |
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彼と僕の関係は割愛するとして、藤忠ビルと角純二にはまったく関係がなかった。実行委員会のメンバーほぼ全員が彼と知り合いだと言うくらいで特になにというほどのこともない。
最初、藤忠ビルにまるで関心のない角純二は、「ここで映画とってもいい?」などと勝手なことをのたまい、実行委員会を困らせようとした。しかし、角純二の行動パターンを熟知している実行委員会は、「勝手にすれば」と無視攻撃をした。角純二のような目立ちたがりには、無視攻撃がなにより身にしみるのだ。
そこで、角純二は次なる手として藤忠ビルの撮影会に仮面ライダーのコスプレで現れ、参加者に無駄にフイルムをつかわすという非情な作戦に出た。藤忠ビルと仮面ライダーがいっしょに写っている写真が藤忠ビルに飾られているのは、角純二の悪質な妨害工作のためだ!
調子に乗った角純二は自作の紙粘土の人形を大量に藤忠ビルに持ち込んだ。これが悪名高き藤忠くんだ。定価300円。同じ天神町商店街にある島根大学のチャレンジショップ「おかげ庵」では50円で売っているものを300円。さすがの角純二もちょっと悪いかなと良心がとがめ、わざと売れないであろう金額を付けたのだった。
ところが、この藤忠くんがなぜか売れてしまった。藤忠ビルオーナーの藤原社長さんまで東京の友人に送るのだと、藤忠くんを3個も買っている。
反省した角純二は、定価を100円に値下げした上、実行委員会のメンバーには記念に1個ずづ進呈するそうである。
【藤忠ビルプロジェクトのオリジナルグッズ】 |