■08. 2001/12/31(月)
ホールとしての藤忠ビル
高嶋敏展
3ヶ月間、藤忠ビルはフリースペースとして使われました。音楽やダンスなどのイベントが行われていましたが、使い勝手はいろいろだったようです。
イベントは主に1階のスペース(2階でダンスイベントを1回だけやったことがあります)で行われました。3m弱の天井高とコンクリートと漆喰の壁面は音響的にはかなり響きがきついようでした。笛やギターなどの音は良いのですが、響きすぎて人の声は聞こえなくなります。レコードをかけても音が壁からの反射音で曇ったように感じました。ダンスでは床が滑って思うようにステップが踏めないようでダンサーは苦労していました。
しかし、イベントをやってくれた人はみなさん「気持ちよかった!」と言ってくれました。観客も藤忠ビルの空間を楽しんでくれたようでした。音がどうの、ちょっと滑るのがどうだなどの問題ではなく、オレンジ色の電球の下で、73年の歴史との共演したことを喜んでくれたようです。
設備が整っているだけでは良いホールにならない事を藤忠ビルは証明したのだと思います。 |