i- 太陽光発電所: 1時間毎の日射量と発電量の変化の例
        〜 2011/8/11の発電量に対する検討 〜

 広島地方気象台のある広島市中区から北西方向に約10km離れた 我が家(建物方位:南々西、屋根傾斜:28.8度)では2011年6月以降、1日単位の発電量と日射量との関係を日々チェックしています。

 先日(2011/8/11)、気象台での日射量と我が家の建物の条件および各種損失から計算される予想発電量(理論発電量)に対する実際の発電量の比(実/理論比 = 発電効率)がシステム設置以来の最低値(77%)を記録したので、その原因について検討した結果を紹介しましょう。

 多分、気象台と我が家とで天気(日射量)がかなり異なっていたのだろうとの予想のもと、広島地方気象台での1時間毎の日射量(全天日射量)と我が家での1時間毎の発電量を対比してみました。
 比較のため、理論発電量がほぼ同じで、実/理論比>1であった8月9日のデータを併記しています。

 この表から、8月11日は発電量の実/理論比が低い時間帯が多く、12時台と16時台を除くほぼ全ての時間帯で広島気象台と我が家の日射量に大きな違いがあったものと思われます。

● 1時間毎の日射量と発電量の変化 (全天日射量による検討結果)
年月日時間帯5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時合計
2011/
8/09
全天日射量0.020.170.571.501.782.602.933.202.902.692.241.380.420.1322.53
理論発電量0.020.180.601.571.872.733.073.363.042.822.351.450.440.1423.63
実発電量0.00.10.41.11.72.63.33.53.53.32.81.20.30.023.8
実/理論 比0.000.560.670.700.910.951.071.041.151.171.190.830.680.001.01
2011/
8/11
全天日射量0.020.301.171.862.392.872.072.263.012.601.951.520.620.1622.80
理論発電量0.020.311.231.952.513.012.172.373.162.732.041.590.650.1723.91
実発電量0.00.00.31.21.82.41.13.12.02.51.31.60.40.017.7
実/理論 比0.000.000.240.620.720.800.511.310.630.920.641.000.620.000.74
 (注1) 単位: 日射量(MJ/m2)、発電量(kWh)
 (注2) 5時の欄: 5時台(5:00〜6:00)の値、他も同様
 (注3) 5時前、19時以降はいずれも発電量ゼロ
 (注4) 1時間毎の実発電量は電力モニタの値であり、その合計は1日の総発電量と一致しない。
     ・8/09の実際の発電量: 24.5 kWh
     ・8/11の実際の発電量: 18.5 kWh
 (注5) 1時間毎の「理論発電量」は参考値。 時間帯により、斜面日射量と(水平面)全天日射量の比が異なり、単純計算できない。

● 1時間毎の日射量と発電量の変化 (斜面日射量による検討結果)
 水平面全天日射量から斜面日射量を求める方法は幾つか提案されていますが、ここでは1時間毎の全天日射量を、下記の仮定に基づいて斜面日射量に変換して検討しました。
 結果は前記の方法と大差はなく、正午前後の我が家の日射量が少なかったものと思われます。

年月日時間帯5時6時7時8時9時10時11時12時13時14時15時16時17時18時合計
2011/
8/09
全天日射量0.020.170.571.501.782.602.933.202.902.692.241.380.420.1322.53
斜面日射量0.010.130.421.291.642.512.913.273.032.872.511.610.560.1722.90
理論発電量0.020.130.451.371.742.673.103.483.223.062.681.710.600.1824.40
実発電量0.00.10.41.11.72.63.33.53.53.32.81.20.30.023.8
実/理論 比0.000.750.890.800.980.971.061.011.091.081.050.700.500.000.97
2011/
8/11
全天日射量0.020.301.171.862.392.872.072.263.012.601.951.520.620.1622.80
斜面日射量0.010.220.861.602.202.772.062.313.142.782.191.770.830.2123.00
理論発電量0.020.240.921.702.342.952.192.463.352.962.331.890.880.2324.40
実発電量0.00.00.31.21.82.41.13.12.02.51.31.60.40.017.7
実/理論 比0.000.000.330.710.770.810.501.260.600.850.560.850.450.000.72
 (注1) (水平面)全天日射量は直達日射量(50%)と散乱日射量(50%)の和とする。
 (注2) 直達日射量は太陽光線の受光面への入射角の方向余弦(cosの値)に比例するものとする。
 (注3) 散乱日射量は太陽高度および受光面の向きに無関係とする。

 以上の検討結果より、8月11日の発電量が理論値(予想値)に比べてかなり低かった原因は広島地方気象台(日射量観測点)と我が家(発電地点)の天気(日射量)の相違によるもので、太陽光発電システムの不具合などではなかったと考えています。
 現時点まで太陽光発電システムはほぼ順調に発電しており、引き続き見守って行く予定です。

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