i- 太陽光発電所: 日射量と発電効率の関係
          〜 曇りや雨の日は日射量の割に発電しないのか 〜

 太陽光発電システムによる発電量はパネルに注ぐ日射量にほぼ比例しますが、季節や1日における日射量の変動状況等によりかなり変化します。

 「曇りや雨の日は日射量の割に発電しない」といった記事を時々目にしますが、これは本当でしょうか。

 ここでは我が家の2012年1月〜12月の発電実績をもとに、日射量と発電効率(=日射量から推定される理論発電量に対する実際の発電量の比)の関係を紹介しています。

● システム概要 (詳細はこちら −> i- 太陽光発電所: システムの更新
  ・システム容量: 5.365kW、 建物方位: 真南から西に約25度、 屋根傾斜: 28.8度

● 理論発電量の計算式
  ・発電量(kWh)=斜面日射量(kWh/m2) x パネル容量(kW)
                x (1 - 温度損失) x (1 - パワコン損失) x (1 - その他損失)
   ・温度損失 : 冬 10%、春/秋 15%、夏 20%
   ・パワコン損失 : 6%
   ・その他損失: 5%

● 斜面日射量の推定方法
  ・従来法
    NEDO/1961-1990年平均の月別全天日射量−>斜面日射量変換係数による。
    屋根傾斜角は10度毎、方位は15度毎に変換係数が与えられている −> 傾斜角30度、方位30度の値を使用。
  ・Erbs法
    Erbsモデルによる(計算方法については末尾参照)。

 以下のグラフは従来法、Erbs法による年間および月別の日射量(kWh/m2/日)を横軸、発電効率(=実際の発電量/理論発電量)を縦軸として両者の関係をプロットしたものです。
 従来法では確かに10月から3月にかけて低日射量時に効率の低下が見られますが、Erbs法では効率は日射量とは無関係で、ほぼ水平線になっています。

 従って、パワコンの変換ロスが低日射時に多いことや温度特性を単純に季節ごとに設定していること、また日射量の観測地点(広島地方気象台)と発電地点(我が家)が約10km離れていること等の問題もありますが、Erbs法による斜面日射量をベースに考えれば、日射量が低い時でもほぼそれに応じた発電をしていると言えます。
年間  全天日射量ベース(従来法)  斜面日射量ベース(Erbs法)
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1月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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2月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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3月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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4月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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5月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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6月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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7月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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8月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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9月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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10月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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11月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
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12月  全天日射量ベース

  斜面日射量ベース
12z.jpg 12e.jpg

i- 太陽光発電所: システムの更新 (システムの仕様)
i- 太陽光発電所: 毎日の発電量 (ここに元データあり)
i- 太陽光発電所

全天日射量と斜面日射量の関係(計算式) 〜ErbsモデルとMETPV-3モデル〜
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