はじめに|概要|ビル今昔|ファサード|構造|地下室|細部|設計者・秋鹿隆一
■構造
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2階の鉄骨によるトラス |
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県でRC造が用いられるのは、だいぶ遅く、昭和の初め頃だと考えられる。つまり藤忠ビルが建てられたころが、島根でのRC造建築物の黎明期であった。藤忠ビルは、1階部分が鉄筋コンクリート造、2階ならびに屋根部分は鉄骨造になっている。鉄筋コンクリート造(RC)は明治40(1907)年代から日本でも建てられるようになったが、2階に上がってみるとフラットルーフでないことがわかる。鉄骨のトラスによって寄棟屋根を支えている。屋根の鉄骨はとくに軽量の形鋼でトラスがかたちづくられ、経済的な設計となっている。垂直と水平の材による和風の架構ではなく、三角形の組み合わせによって支えるトラスという架構であることが、西欧の影響を教えてくれる。2階の床は木造であり、鉄筋コンクリートスラブによるコスト増をさけていると考えられる。RC造、鉄骨造、木造と多様な構造を用いている点が興味深い。外壁は一部花崗岩が用いられているが、左官職人による鏝仕上げの部分が多い
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